第40回日本側彎症学会 本文へジャンプ

開催のご挨拶


会長 瀬本喜啓平成18年11月24日・25日の両日、ぱるるプラザ京都において第40回日本側彎症学会を開催させて頂きますことを、大変光栄に思っております。
 今回は田島直也先生に」山田・井上メモリアルレクチャーをお願いしました。「脊柱側弯症検診とその課題」について、会員の先生方等にお願いしたアンケート調査の結果もふまえてご講演をお願いしております。
 また、会長招待講演にはフランスのマルセイユ大学からGérard Bollini教授をお招きし、「先天性側弯症の外科的治療」についてご講演をお願いしました。先生は先天性側弯症の手術経験が豊富なうえに手術の上手さには定評があり、「神の手」と呼ばれているそうです。Bollini教授の講演の直後に、今回の主題の一つである「先天性側弯症の外科的治療」のセッションを行います。
 今回の主題の一つである「側弯症の基礎的研究」は、多くの研究者が日夜絶え間なく行っているにもかかわらず、いまだ決定的な原因は解明されていません。しかし、常に研究の手を緩めてはいけないものだと考えます。
 具体的な手術のコツや工夫については、今までセッション終了後にフロアで個人的に話されてきました。多くの症例を統計処理した演題の方が上質な発表という風潮があり、側彎症学会ではこのような具体的な話を演題として発表する機会は少なかったと思います。しかし、外科医にとっては大変興味深く、多くの会員が聞いてみたい演題ではないかと思います。今回「側弯症の手術手技:コツと工夫」に10題の応募があり、これに一般演題から3題を主題に組み込み、2日目の午前と午後にセッションを組みました。フロアではなく、発表の場で討論を行っていただけることを願っております。
 昨年度の本会において、ラウンドテーブルディスカッション「装具療法」の座長を担当しました際、時間の関係で討議が不十分なままセッションを終わらなければなりませんでした。そのセッションの最後に、次年度このセッションを継続討議にすることを提案しました。装具療法は、ともすれば手術療法に目を奪われがちですが、側弯症の治療を志す医師がまず会得するべき基本となる治療法です。手術のテクニックのみに精通しても、単なる手術屋に終始するだけです。保存的な治療や自然経過を十分に理解し、経験しなければ側弯症の病態を理解することは出来ないと考えます。昨年に引き続いて、活発な討議を期待しております。
 症例報告はパネル発表と2分間の口演としました。本学会の症例報告は、過去の学会誌に掲載されている症例を見てもわかるとおり大変貴重な発表が多く、症例の写真やX線写真等はじっくりと見てみたいものがほとんどです。このため、発表される先生には手間をおかけすることになりますが、より理解を深めるために、できるだけ多くの写真やX線写真をパネルで掲示していただきますようお願いします。
 学会1日目の夕方に、全員懇親会(無料)を予定しています。会場はしだれ桜や紅葉で有名な円山公園に建つ「長楽館」です。明治時代に建てられたルネサンス様式を基調としたこの洋館は、実業家村井吉兵衛氏によって建てられたもので、建物と家具が京都市有形文化財に指定されています。お寺や神社とは趣の異なった京都もお楽しみください。
 本学会の真骨頂は、激しい討論です。若手の先生にも、ベテランの先生に臆することなく一歩も引かず自分の考えを主張していただきたいと願っております。
 最後になりましたが、今回の学術集会に協賛いただいた会社および展示・広告やさまざまなご援助をいただいた会社ならびに関係各位に深く感謝申し上げます。

第40回日本側彎症学会
会長 瀬本 喜啓


「弯」は「彎」の略字ですが、日本医学会医学用語辞典の略字体の漢字の使用方法に基づき、固有名詞である「日本側彎症学会」以外の「そくわん」には、「側弯」の字を使用しました。

   
ぱ・る・るプラザ京都