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患者様インタビュー

Vol.1お母様インタビュー 第3回(全3回)2018.11

ある日突然、何の知識も、治療の方法もわからない状態で「側弯症かもしれない」と言われたら、誰もが不安になることでしょう。特に成長期の多感な時期に発症しやすい疾患だけに、保護者の方は特に一体どのように向き合うべきなのか心配なことと思います。しかし、側弯症では、正しい知識を持ち適切に治療することが最も重要です。
 そこで今回は、小学5年生の時に側弯症と診断されたお子さんを持つお母様に話を聞きました。3回にわたって、実際に母娘が側弯症とどのように向き合ってきたのか、流れを追って紹介していきます。

「患者自身が装具治療に前向きに向き合うためには、家族を含めた周囲のケアが不可欠です。家族での取り組みはもちろん、思春期の患者ができるだけストレスなく装具治療を続けていくために、学校の先生などへの事前連絡や相談も必要になります。第3回目のインタビューでは、学校やクラスの友人などへ、どのように治療のことを伝えていったのか、当時のエピソードを語っていただきました。

学校生活と「装具治療」

── コルセットを着けての生活となると、学校生活を送る上でも周囲の理解が必要かと思うのですが、学校の先生へはどのように相談をしましたか?

校舎イメージ
写真はイメージです

お母様:中学に上がる前、娘に『事前に先生やクラスの友達に話して、理解してもらおうか?』って2人で話し合ったんです。娘の気持ちを最優先したかったので。そこで娘は『クラスのみんなには話したくない』って言ったんです。なので、担任の先生と養護教諭の先生にだけ連絡を取って、気になっていることを事前に相談しました。まず、体育の着替えの時には、コルセットをはずす場所が必要だったので、保健室で着替えさせてもらうことと、はずしたコルセットをそこに保管してもらうということもお願いしました。そのあと体育の先生にも話をさせていただいて、多くの先生に理解をいただけたのでよかったです。おかげで中学の学校生活は他の子と何ら変わることなく過ごせました。

── クラスの子たちには事前に話さないまでも、友だち同士での理解も自然に進んでいきましたか?

お母様:そうですね。夏服で薄着の時期などは、少し前かがみになるとコルセットが見えたりもするので、悪意なく『これ何?』とか、背中を触れられて『硬い』って言われたりすることもあったみたいですが、それがいじめにつながるようなことはまったくなかったですね。純粋に疑問に思って質問してくる子もいれば、興味本位でつついてくる子もいたでしょうけど、本人はけっこう吹っ切れた感じで、マイナスに捉えることはなかったみたいです。むしろ『触ってみる?』なんて、普通に話したり。だから、大々的に友達に公表する感じでもなかったですけど、自然に理解は得られたようです。

── ご家族にはどんなふうに伝えましたか?

お母様:生活自体は何も変わらないので、特に家族会議をしたりとかはなかったですね。もちろんどんな疾患なのかということは伝えましたが。ただ、息子(弟)が最初にコルセットを見た時に娘に向かって『ロボットみたい』って言ったので、そういうことは『今後、絶対に言わないで』とは伝えました。でもやんちゃだから時々パンチとかして、逆に『手が痛い』なんて言って2人で笑ってましたけど(笑)。『やっぱり姉ちゃんは強い』って。

学生服イメージ
写真はイメージです

── 家族ともども、治療に前向きになれた一番の理由って何だと思いますか?

お母様:やっぱり早くに信頼できる医師に出会えたことだと思います。もし病院にかかることがなければ、症状はもっと進行してしまったでしょうし、素人判断でマッサージや整体でなんとか治そうと思ってしまったかもしれません。インターネットで自力で情報を集めるのは限界がありますし、中には間違った情報もありますから。どんな些細な疑問や悩みも気軽に話せて、ちゃんと経過を見ながら的確な治療をしてくださる先生に出会えたことが、私にとっても娘にとっても、一番大きな安心材料だったと思います。

── 今、娘さんは中学3年で、もうすぐ高校入学とのこと(※取材時)。装具治療を続けて、現在はどのような状態ですか?

お母様:現在は装具なしの状態でレントゲンを撮影しても側弯度は30度と、治療前と変わらず、まったく進行していなかったので安心しました。骨の成長がだいぶ落ち着いたこともあり、装具治療も今は睡眠時だけで大丈夫です。ちょうど、中学3年の夏に、先生から『もう日中は着けなくていいよ』と言ってもらえて、娘は『この暑さから解放される』と、ものすごく喜んでいました(笑)。高校ではもう、コルセットなしで制服も着られますし、洋服もコルセットなしで試着して買えることを、本当に喜んでいましたね。これからはまた数ヶ月おきに通院して、経過観察をしながら、コルセットを完全に卒業する日を待ちます。

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